2014年10月17日金曜日

亀甲竜(Dioscorea elephantipes)の実生に再挑戦

 去年の冬、亀甲竜の種を手に入れて実生に挑戦したが、一切発芽せず失敗に終わった。というのも、播種の時期が遅かった(ほぼ春)ことや、用土を乾燥させてしまうという失態を犯したからだ。しかしながら、播種した種は発芽こそしなかったものの腐りもしなかったので、乾燥させてティッシュに包み保存しておいた。
 まるまる1年寝かせた種なので期待はできなかったけれど、種の見た目は1年前とあまり変わらなかったのでリトライしてみた。

播種

 10月17日に11粒をまいた。種の埋め方は、種の部分を用土に挿して、羽根が用土から飛び出しているような形。用土は赤玉土のみで、腰水にして常に湿潤を保つようにした。
去年よりはまとも

 ダメ元ということであまり期待しないようにしているけれど、種の様子は去年からあまり変わらないように見えるから、ひとつでも発芽してくれたらとても嬉しいな。

2014年10月8日水曜日

Billbergiaの変化

ビルベルギアは夏の直射日光に当てると焼けてしまうそうだ。

 ビルベルギアと過ごす初めての夏。試しに遮光しない環境で直射日光にガンガン当てた結果、いろんな変化が観察できた。
 特に変化の分かりやすかった、'Las Manchas'、'Poquito Blanco'、'Rings of Saturn'の3種を紹介する。


Billbergia 'Las Manchas'
8月中旬
全体的に赤茶色でスポットはまばら
まだ幼い様子の子株
10月上旬
子株が親株と同じくらいの大きさになった
葉は赤みが強まり鮮やかな桃色スポットが目立つ
 'Las Manchas'の親株はほとんど成長しておらず、色の変化もほとんどない。しいて言えば、筒の付け根の白いにじみが大きくなった。一方で、子株は大きさ、色の変化共に著しく、特に色は鮮やかで見栄えのする姿となった。



Billbergia 'Poquito Blanco'
8月中旬
鮮やかな緑に散らばる白いスポットが素敵
緑と白は1:1ぐらい?
10月上旬
うっすら桃色が出ましたが焼けました
白スポットがにじむように増え、鮮やかな緑色は失せました
 'Poquito Blanco'は焼けた。鮮やかな緑が失われ、白のスポットはにじむように広がった。葉のふちにうっすら桃色が伺える。個人的には8月中旬の色合いのほうが好き。



Billbergia 'Rings of Saturn'
8月中旬
緑の地色に白いライン
10月上旬
地色は赤紫色に、白いラインは心なしかくっきりに
白いスポットがちらほら
 'Rings of Saturn'は緑から赤紫色へ一変してしまった。何より驚きなのは、毎日見ていたのにも関わらず、写真で見比べるまで変化にまったく気付かなかったこと。アハ体験。また、ほんの少しだけ、スポットが現れてきた。“土星の環”っぽさが増したように感じる。


全体を通して

 今回、分かりやすく焼けたのは'Poquito Blanco'だけだが、他の種をよく観察してみると白いスポットの部分のみ焼けているものがあった。もしかすると、白いところは焼けやすいのかもしれない。だから白の多い'Poquito Blanco'は焼けてしまった、と。素人考えでは、黒のような色の濃い部分の方が焼けやすそうなイメージだから今回の結果には違和感があった。焼けやすさはビルベルギアの色の変化の仕組みが関わっているのかな。
 
 ビルベルギアは夏の直射日光に当てると焼けてしまうとのことだが、きちんと日光に当てることで色彩的な特徴が顕著に表れるそうだ。確かに、焼けてしまった種がある一方で、鮮やかさを増したり素敵な姿となった種もあった。
 来年はいくらか遮光した環境で育ててみようと思う。痛めちゃってごめん。

2014年10月6日月曜日

イノピナツム、グラキリウス、ブレビカウレの実生45日目

8月22日に蒔いたパキポディウム・イノピナツム、グラキリウス、ブレビカウレの45日目の様子。
5日目はこちら

一週間不在にしていたため腰水が枯れてしまい、イノピナツムはほとんどしなびてしまった。意外にもグラキリウスとブレビカウレはほとんど生き残っていた。
以前は朝日の当たる窓辺に置いていたが、9月中旬からホットヒーターの上に乗せている。温かいほうがいいかなと。調子も良くなった気がする。


イノピナツム(Pachypodium rosulatum var. inopinatum
むしろよく生き残ったと言いたい1本。他はしなびてしまったのに、どうして生き残れたのだろうか。双葉が綺麗に展開されていて調子も良さそうなので、頑張って生き残って欲しい。
寂しいポット

象牙宮(Pachypodium rosulatum var. gracilius
びっくりするほど生長している。双葉を通り越してトゲも見え始めている。根本も太ってきてとても調子が良さそう。
みんな元気ハツラツ

えびす笑い(Pachypodium brevicaule
すっかりグラキリウスに追いぬかれた。生長が遅いという評判通り。こじんまりとはしているものの、元気は良さそう。えびす笑いはずんぐりむっくりしているから、もっとセガ低い段階で双葉が展開すると思ってた。どういう風にずんぐりむっくりしていくのだろう。
ゆっくりだけど生長している

以前の写真から約一ヶ月も間を開けたから、すっかり様子が変わってしまった。

2014年10月5日日曜日

パキポディウム・エブレネウムの実生経過1〜3ヶ月後


パキポディウム・エブレネウム(Pachypodium eburneum)を播種後の様子を3ヶ月分振り返る。

8月11日(約1ヶ月後)

 本葉が目立つようになってきた。生長具合に差が出始めている。右上の苗は緑色のトゲが見え始めている。パキポディウムらしくなってきた。
生長具合にムラがある

8月14日

 双子で生まれてきたエブレネウムが腐ってしまった。とても悲しい。根がすっぽ抜けて横たわっていたのを整えるためにピンセットで触ってしまったのが原因と思われる。他にも横たわっていた苗があって、そのうちピンセットで触って整えた苗は腐った。余計なお世話だったのね。ごめん。
腐りゆく双子

9月3日(約2ヶ月後)

 1ヶ月後のときよりも全体的にサイズアップ。縦だけでなく、横にも膨らんできた。縦に伸びる傾向がある苗や、横に太る傾向のある苗など、生長の仕方はそれぞれで違う様子。生長が遅い苗は相変わらず遅く、このままだと冬に腐ってしまいそう。頑張れ。
 この頃から太らせようと液肥をぶっかけ始めたので、用土の表面にコケが生えてきた。
背が高い苗や太っちょの苗など様々

10月5日(約3ヶ月後)

 全体的に太ってきた。もともとの生長の調子が良かった苗はぐんぐん葉を出し元気そうにしている。肉の部分は少し硬くなってきて、パキポディウムの体っぽさが現れてきた。
 横たわっている苗は下手に触るとまた腐りそうなので放置。苗が浮いてしまうのは、用土が固かったからだろうか。次回以降の用土はもっと軽く、ゆるくしようと思う。
 それにしても、元気な苗とそうでない苗は生まれつきなのだろうか。まばらに差がでているので、日当たりの差ではなさそう。
露骨な生長格差


 冬が来る前にガンガンと太らせないと、どうも冬を越せないらしい。とりあえず液肥をぶっかけていて、効果は出てる気はする。液肥をかけない苗も用意して比較すれば良かったのだろうけど、もともとの個体差があったから比較できなさそうで用意しなかった。
 どのくらい太らせたら良いのか、どうやったら太るのか、詳しく分からないので、とりあえず液肥を注ぎながら太れ!太れ!と応援しておこう。

Billbergia 'Darth Vader'が子を吹いた

親株の成長が遅いと感じていたけれど、もしかしてこのせいかしら。

子株がひょっこり

 この大きさになるまで気付かなかった・・・。親株の成長ばかり気にしていて、久々に下を見たらいた。こじんまりとしていて可愛い。この小さなダースベイダーが大きくなっていく様子を見られるなんて、今後がとても楽しみ。
 ビルベルギアはうちにいる植物の中でも成長が分かりやすい方だから、ぐんぐん大きくなってくれることを願っちゃう。

ちっちゃいけど棘はある

 親株はまだ花を咲かせていないから、このまま育てば群生させられるのかな。これから冬になって寒くなるので順調な成長は望めないだろうけれど、なんとか耐え忍んでもらって、春からの元気な姿を楽しみにしている。